第3章 〜アメリカ留学〜 ⑤度肝を抜く
僕をバカにした「力持ちくん」にやり返すための
ある作戦を練った後、
女友達のエミリーにあるお願いをした僕。
実は、女の子っぽいピンクのT-シャツを貸して!ってお願いしたんだ。
めっちゃ爆笑されたけど、理由を説明したら喜んで手伝ってくれるとの事。
それからの2週間はジムがほとんど無人になる
ランチ直後に時間を作って通いつめた僕。
ジムに行ってひたすら夢中で懸垂と腹筋をしまくったんだ。
ランチ直後だから何度か気持ち悪くなったけど、必死に続けた。
全てはやり返すためにね笑
ちょうど2週間経つ頃、前よりもちょっとTシャツがキツくなってる事に気づいた。
よし!後はあの「力持ちくん」 がジムに来る時間に合わせて作戦決行だ!
そしていよいよ、作戦決行の日。
同じ寮に住んでるエミリーにT-シャツを借りて、
「面白そうだからついていく!」って聞かないエミリーと一緒にジムへ。
「やってやるぜ!」と気合入れたのはいいけど、
ジムのドアを通ると急に緊張してきた。
めったに恥ずかしいって思わない僕だけど、
この時はすっごい恥ずかしかった。
思い出しただけで、手汗かくもん笑
覚悟を決めた僕は、
「力持ちくん」が懸垂の場所に行くまで、
ストレッチをしながら待つ。
あっ!やっと懸垂するぞ!
彼が懸垂する姿を見ると猛ダッシュで
ピンクのT-シャツに着替えて彼の下へ~
力持ちくんは
懸垂を数回して満足気に後ろを振り向くと
奇妙な光景が彼の視界の入る。
そう、ピチピチのピンクのT-シャツを着た僕の姿ね。
すぐに何か言おうとした彼を遮り、僕は
「I'am a female NINJA~」って叫んでやった。
すかさず懸垂を初め、完璧な懸垂のフォームを見せつけた。
後ろも向けずに黙々と20回連続で懸垂をして
「20回!」と雄たけび。
普通にシカトされてどっか行ってたらどうしよう?と
ドキドキしながらも、やり遂げてから後ろを振り向くと
力持ちくんの他にも数人のマッチョが集まってた。
スッゲー怖い顔で近寄る力持ちくん。
遠くでエミリーが珍しく心配そうな顔してるのが見えた。
ここでビビっちゃダメだ!
負けるな!
「言っただろ?僕は女忍者だ!」
ってもうひと押し。
・・・ぷぷぷっ!
あ~はっは!
「ウソだろ!お前マジかよ!?」
って聞こえた。
すかさず
「日本からやってきた良介だ!Rioって呼んでくれ!」って言い放った僕。
完全に度肝を抜かれた様子のジェフは、
この前の無礼を謝ってくれて、彼の友達をたくさん紹介してくれたんだ。
一気にジムで知名度があがったよ。
でも、彼や他の多くのマッチョと友達になれて良かった半面、
ジムで「よっ!ニンジャ!」って声かけられるようになったのはちょっと・・・
まぁ仲良くなれたし良しとしよう笑
エミリーにもよかったわね~!って喜んでもらえて、
爆笑しながら、寮へ帰った僕たち。
すぐにT-シャツを洗濯して返し、自分の部屋へ。
・・・ふぅ~。
緊張したし恥ずかしかったなぁ笑
でも、確信した。
僕はアメリカでやっていけるってね笑
危機的状況に陥っても、まずは落ち着いて
自分が使える物は何か?って問いかけられる習慣が身についた。
そして何よりも
自分の頭を使えばどんな状況や困難も打破出来るって分かって、
すごい自信になった。
ちょっとバカに見えるかもしれないけどさ笑
♡外人Wife,外人Life♡