6章 ~婚約~ ➀宣告
「将来の計画を立てるためにも確約が欲しい」
あっ、これグレイスからの宣告ね。
しかもまだ続いて、
「つまり本当に結婚する意思があるのかハッキリした意見を聞かせて!
アタシは次のステップに進みたいの!」
「じゃないと別れるわ!」
あれは、
遠距離恋愛の終わりが近づいてきた秋のある日。
グレイスがもうすぐアメリカに帰国しなくちゃいけない時に言われたんだ。
あまりに突然の宣告だったから一瞬冗談だと思った僕。
でも、いつにも増して目を大きく開けて真剣な表情のグレイスを見たら、
冗談じゃないと悟るのに1秒もかからなかった。
「・・・あっ、ここは笑うとこじゃないや」ってね。
緊張したり、興奮すると、おでこに汗をかく僕。
話の重大さを理解するやいなや、おでこから汗がダラダラ。
「ちょっと聞いてるの?どうするのか教えて!」
え?今??即答しろと???
もちろん結婚はしたいけど、
サプライズでプロポーズしたいし、
ってかまだ学生で金ないし、
そもそも結婚資金もないし、
仕事すらまだだし、
・・・って具合に頭の中がゴチャゴチャで、数秒間固まっていたみたい笑
情けないなぁ、良ちゃん笑
でも、もともと結婚するならグレイスしかいない!って常に思ってたから、
「もちろん!結婚したいよ!プロポーズはするから!ただ色々準備があるからちょっと待ってて!それでもいい?」
とパニくりながらも一応返事をした僕。
僕に結婚の意思がある事を再確認出来て、
ホッとした様子のグレイス。
安心したわ。と1言。
するとすぐに
「いつプロポーズするの!??」
と迫ってきた。
え??
今の僕の話聞いてた?
何とか必死に僕の真剣な気持ちを伝えて、
プロポーズはサプライズにするから、いつかは教えない!
とこっちも宣告返し!笑
・・・わかった。
楽しみにしてる♡
と喜んでくれたグレイスだったんだけど、
まだ就職も卒業もまだの僕には、
茨の道が待っていたんだ笑
♡外人Wife,外人Life♡