第2章 〜AIU入学〜 ②アウェー

「Hello, everyone! We are happy to welcome you all to AIU・・・ Your great adventure begins now」

うそ！？入学式でリスニングテストあるなんて聞いてないよ！

寝ぼけてたから、ついつい隣の人に話しかけた僕。

めっちゃ真顔で、

「え？学長のスピーチだよ」

って言われた（後のクラスメートになる女の子に）

マジかよ〜！いきなり恥かいちゃった。

〜7日前〜

秋田駅から大学までバスで行くこと30分。

ついにAIUに着いたぞ！

よし！これから死ぬほど頑張って、

英語ペラペラで外人とも議論しまくりの国際人、良ちゃんになるぞ！

情熱だけは人一倍！

よし、第一印象大事だよね。うん。

バスから降りると、興奮したあまり、そばにいた男に話しかける。

「すごい山奥にあるんだね！でも楽しそうだね！」

「そうだね。よろしく」

・・・え？

今この人、何て言った？

めっちゃ声低くて聞き取れなかったんですけど笑

「ってか声低くね？外人？」←めっちゃ失礼。

「え？群馬人」

というのがAIUでの親友との出会い。

そのままみんなゾロゾロと寮に入って説明を受ける僕たち。

 隣には群馬人笑

うわぁ！

いたよ！いたいた！

外人！多いなぁ〜！

それまで外国人なんて、ALTの英語の先生か

美容室の看板に写ってる外人モデルさんくらいしか見たことなかった僕。

本当にいるんだぁ〜的な目で見入っちゃった。

でも、何を言ってるのかはまったく分からない。

分かりにくいなぁ、何で英語で説明するのさ？って思ってた僕。

あっ！そうだよ。ここそういう大学だった笑

どうやら話が終わったみたいで、

みんなまた移動し始めた。

どこに行くんだ？まぁ付いていこう！

やたら外人がいっぱいいる大きな広場に通された。

え？何？

普通に怖いんですけど！

「はい！それでは周りの人と自己紹介して下さ～い」

え？マジ？いきなり？

・・・って周り外人しかいないじゃん。

超アウェー。

しかも外人と英語で喋った事なんてなかった僕。

思わずさっきの”外人”、群馬人の彼を探す。

・・・あっ、いた。

うそ。めっちゃペラペラじゃん！

相変わらず声低いけどさ。

負けてられるか！！

「Hi I am Ryosuke! Nice to meet you」

「~~~~America~~~~~~~~Mary~~~~~~」
おっ！メアリー！？これくらいはわかった！

でも、メアリーは彼女の名前じゃなくて大学の名前だった。

「What? One more please?」を連呼しまくってた必死の僕。

・・・でも気がつくと、徐々に周りから外人がいなくなってた。

そりゃあ、1分も会話が続かないし、

会話の内容が「もう一回お願い！」だけじゃあね笑

場所移動だ！と思い、

周りを見ると日本人でスッゴイ外人と話してる人の集団が！

「あの人たち帰国子女だってさ」

「小さい頃から海外に住んでたから、ペラペラらしいよ」

帰国子女？そんなの反則じゃん！

こっちは会話にすらならないのに。

何だか、思いっきりレベルの差を見て

萎縮してしまったよ・・・。

自分はまったく英語で会話が出来ないという

現実を突きつけられた気がして初日から超ブルー。

・・・クソ。

・・・帰りたい。

良ちゃん！覚悟決めて頑張れ！
帰っちゃダメだよ！！

みんなも全力でアウェーな感覚とか味わったことある？

なかなかつらいよね！

でも実は、そういう時こそ自分の実力が知れて、

何が出来るのかって実感できるから大事だよね。

それ以来、僕は定期的にあえてアウェーな環境に自分を置いて

もがき苦しみ頭を使って成長するようにしてるんだ～

え？ただのドMだって？

よく言われる笑

♡外人Wife,外人Life♡