6章 ~婚約~ ⑤当日その①
良かれと思って計画したサプライズの過程で
グレイスを今まで1番悲しませてしまった僕。
胸がはりさけそうだった経験をしたのはこの時が最初で最後。
・・・でもやるぞ!グレイスに最高の笑顔を届けるぞ!!
と高らかに机の上のグレイスと僕の写真に向かって宣言したんだ。
そしていよいよ運命の日がやってきた。
その日は僕たちの記念日。
前日に秋田から夜行バスに乗って、
当日の早朝に東京へ着いた僕。
バスの車内であまり寝れなくて疲れ気味。
新宿駅で待ち合わせをしているグレイスとを探すこと10分。
・・・いた!
グレイスだ。
今夜、僕がプロポーズする女性だ。
ドクン!ドクン!
あんまり緊張とかしない僕なんだけど、
どういう理由か視界がグレイスを捉えた瞬間から、
僕の心臓はフル回転。
12月なのに汗はダラダラ。
でもポケットの中の指輪があるのを確かめたら、少し落ち着いた。
「そうだ!今日だ!落ち着け!」と自分に言い聞かせる。
ゆっくりグレイスに近づいて、
心のなかで「今夜プロポーズするからね♬」と呟きながら、
優しく抱きしめようとしたその時。
・・・え??
何でそんなに荷物パンパンでゴツいの?
「・・・あぁ〜良ちゃんおはよう!」
「あっ、これ?喉が乾くかなぁと思って」
カバンの中には2Lのペットボトルが3本に、なぜかビールが2缶。
しっかりおつまみの柿ピーまである。
ウソでしょ??
・・・ロマンチックどころじゃない。
グレイスの先制パンチをモロに食らってしまい、
一気に主導権を握られた気分・・・。
いや動揺しちゃダメだ。
しっかりしないと!
・・・プシュ!
え?何の音?
自分の手元を見ると、ビールが開いてる。
あっ、プレミアムモルツだ!グレイス奮発したなぁ〜。
いやいや!
良ちゃん何してんの??
さすがのグレイスも呆気に取られている。
「いや〜喉渇いてたからビール飲むよ!ありがとう!」
2Lのペットボトルとビールを見たら何故か突然動揺しちゃって
朝7時の新宿駅でビールをイッキ飲みした僕。
そのまま、ちょっとほろ酔いでディズニーランドへ。
道中の電車の中で2人でビールを飲み干し、おつまみも完食した僕たち。
いざ、ほろ酔い気分でGO!!
先が思いやられるスタートを切った良ちゃんでした。
♡外人Wife,外人Life♡